ファインダーの中には何が見える

思いついたことをつらつらと書きます。

ふたりの剛球投手

先日発売されたNumber。立ち読み。タイガース特集なんだけど、藤川球児の記事に「ほほー」という文章があった。今年、150km/hオーバーのストレートでセットアッパーとして完璧に近いピッチングをしている彼。その藤川投手が伸び悩んでいた時期、当時のコーチである山口高志氏の一言がきっかけでフォームと意識の改革を図り、今の彼が誕生したとの内容。

山口高志といえば、阪急ブレーブスNo.1の剛速球投手(奇しくも山口和男と同じ背番号14)。彼のストレートの速さといったらただ事じゃなく、全盛期には終速で150/kmを軽く越えていたと言われ、日本シリーズで対戦したカープ山本浩二氏など、彼を日本一の速球王と称える対戦選手も数多くいる。考えてみると、当時の阪急の主戦は足立や山田といったアンダースロー投手。対戦する打者としては、アンダースローからのシンカーにやっと目が慣れたと思ったら、終盤には高めにブンと来る剛速球投手の登板。これは打てる訳がない。そんな彼だから、当然、登板の数も多くなる、さらに上半身をマウンドに叩きつけるような投球フォーム。身長170cm足らずの身体が我慢できるはずもなく、すぐに故障。結局、プロ生活8年で引退。だが、彼が本来の速い球を投げていたのは現役期間中1,2年だけだろうと言われている。まさに一瞬の輝きだった。

今、優勝を目指す阪神タイガース。そのセットアッパー藤川球児藤山寛美監督の指令で毎日のように投げている彼。よそのチームのことだけど、彼の身体も心配になる。今シーズンが線香花火が消える前の最後の輝きでなければいいのだけれど。