ファインダーの中には何が見える

思いついたことをつらつらと書きます。

青木淳悟「私のいない高校」

を読みたいがためにAmazonマーケットプレイスで「群像」2011年2月号を購入。今年、三島由紀夫賞を受賞した同作品は単行本も出ているので、そっちを買った方が手軽だろうけど、なんか、群像だと他にもいろんな作品が載っているからお得じゃん、たとえば、チェルフィッチュ岡田利規の小説も読めたりするんです!という理由でこれを購入した。


ところで、青木淳悟といえばデビュー作「四十日と四十夜のメルヘン」。僕はたまたま、この作品の文庫本を見つけて、ある日、読んでみた。正直、「なんだ、この変人が書いた日記」的な感想しか持たなかった。チラシ配りのバイトをしている変人がチラシを配らずに押し入れの中にしまう。そして、また配らずに押し入れにしまう。そしてまた押し入れに。という具合に。すると、当然、押し入れからチラシがあふれてきて……。っていう、なんかしょーもない話ではあるが、いや、そもそもこの小説をこの押し入れのエピソードで語ること自体、間違っているのだけれど、小説の構造そのものに触れるべきであるのだろうが、とにかく、2回目、3回目と読み直すうちに面白くなってくるのがこの「四十日と四十夜のメルヘン」であったわけだ。とくに大きな事件もなく、若い男の日常を描いたこの小説はとても退屈で中毒性をもつ作品だと思った。


で、「私のいない高校」。まだ読んでいない。評判を聴くところによると、かなりすばらしい作品らしい。既成の小説という概念を打ち破る作品らしい。楽しみだなあ、と本当に思う。この“私”がいない小説。



私のいない高校

私のいない高校


四十日と四十夜のメルヘン (新潮文庫)

四十日と四十夜のメルヘン (新潮文庫)