ファインダーの中には何が見える

思いついたことをつらつらと書きます。

風『君と歩いた青春』

近くのラオックスで中古のCDが売っていて、「風best」を衝動買い。理由は、懐かしい『君と歩いた青春』が収録されていたから。この曲自体は1976年頃のものだから、リアルタイムで聴いてはいないけれども、地元で予備校に毎日通っていたころ、昔の曲としてなんとなく聴いていた。甲突川、それは小さな川なんだけど、土手を歩いていると、清々しい風がいつでも吹いてきて、近くからは橋を渡る路面電車のガタゴトというのんびりした音が聞こえてくる。予備校までの道、ウォークマンから聴こえてくる『君と歩いた青春』に、僕はなぜだか東京の匂いを感じ取っていた。憧れの東京で学生生活を送りたいがために予備校へ通っていた僕にとって、その曲は東京そのもののような気がした。大学の古びた校舎の陰でアコースティックギターを爪弾いている。壁には「造反有理」と書かれたポスター。ギターを弾きながら考えるのは、田舎に帰った彼女のこと。そんなイメージに憧れている僕。

『君と歩いた青春』。田舎の予備校に通っている僕にとって、“青春”そのものが“東京”であって、それは、まだ何も知らない僕には疑いようのない“真実”だったのだと思う。

COMPLETE BEST

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