ファインダーの中には何が見える

思いついたことをつらつらと書きます。

高校サッカー

各地で高校生年代のクラブチームと高校を交えたリーグ戦であるプリンスリーグが行われている。このプリンスリーグが発足するまでは、この年代での試合形式といえば冬の選手権に代表されるようにトーナメント形式の負けたら終わりという一発勝負しかなかった。協会はそれでは、引き分けありのリーグ戦が主体の世界のサッカーに対応できないということでプリンスリーグを創設した(と思う)。そのプリンスリーグで上位になったチームに出場権が与えられる1990年創設の全日本ユース選手権で高校年代の日本一を決める(ことになっている)。この全日本ユース、去年まで15回行われているが、そのうちクラブチームが優勝したのが2回、高校チームの優勝か13回となっている。過去の結果だけ見ると明らかに高校勢が優位と言えるかもしれない。その理由として、以前は中学年代の才能ある選手は高校に進むことが当然になっており、なかなかクラブチームには優秀な選手が集まらないということがあげられていた。また、3年間で結果を出さなければいけない高校と、将来を見据えた育成重視のクラブチーム、この差も全日本ユース選手権の結果に表れていたと思う。

だけどその構図が今年になって大きく変化してきた。
近年高校サッカーで一大勢力を築いている九州勢。2部制になっている九州地区のプリンスリーグの1部にも国見、鹿児島実、東福岡、大津、鵬翔など全国大会の常連校が名を連ねている。その九州プリンスリーグ2部から今年、1部に昇格して来た大分トリニ−タとアビスパ福岡のユース2チーム。この2チームが強かった。リーグが始まると両チームとも国見、鹿児島実、東福岡という全国優勝経験校に連勝して、最終的には、上位4チームに与えられる全日本ユース選手権の出場権を獲得した。そのため、常連だった国見も東福岡もそれぞれ6位、7位に低迷することになった。国見や鹿児島実のロングボールを多用し、失点するリスクをできるだけ軽減するサッカー。言い換えればトーナメントで負けないためのサッカーが、クラブチームの組織力を用い、ボール支配を重視するサッカーに勝てなかった。引き分けもあるリーグ戦での戦い方を知っているクラブチームとトーナメントの戦い方しか知らない高校チームの差がでたのかもしれない。
この九州のプリンスリーグの結果は、一過性のものではなくこれから続いていきクラブチームが上位を独占する時代がくるに違いない。