有名人?
さっき、店に来たお客さん。結構、年配と思われるおじいさん
なのだけど、僕のそばにとことこやって来て
「遠藤周作はありますか?」
と言った。
僕は遠藤周作がある棚までおじいさんを連れて行き
「こちらが現在あります遠藤周作の本でございます」
と、文庫本を何冊か手にとってお見せした。
おじいさんはそこから遠藤周作の代表作「海と毒薬」を
手に取った。
そして、その表紙を見ながら言ったおじいさんの一言。
「私はこの小説の中に出ているのですよ。」
僕は、驚いて「えっ」と言ったきりだった。
なんでも、
戦後すぐ、遠藤周作の知り合いで戦犯に問われた人物を
おじいさんが逃がしてあげたとのこと。
それが巣鴨プリズンからなのか、それ以前のどこか違う場所からなのかは
尋ねることは出来なかったけど、とにかくその時のことが
「海と毒薬」に書かれているらしい(恥ずかしながら、この作品は
未読です)。
あのおじいさんは何者だったのだろうか。
今は少し腰の曲がった好々爺といった風情だが。。。
- 作者: 遠藤周作
- 出版社/メーカー: 新潮社
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