ファインダーの中には何が見える

思いついたことをつらつらと書きます。

沖田修一監督「横道世之介」

WOWOWで。
以前、吉田修一の原作を読んで、何度でも読んでみたい小説だという感想を持ちました。主人公の横道世之介がとても魅力的で、何って言ったらいいんだろう。お人好しでマイペースで素直で…。著者の吉田修一はどうやってこのキャラクターを作ったんだろう。いろいろなことを考えた、愛すべき小説でした。


「じゃあ、今度ゆっくりね」


「じゃあ、いつにします?」


原作がとてもよかったので、映画はどうだろうか?
そう思いながら観始めました。
いやいやあ、よかったです。
高良健吾っていい俳優だなあと再認識。「苦役列車」でも人がよく少し浮世離れした役を好演していたと思いますし。
蛇にピアス」でも共演した吉高由里子も大金持ちのお嬢様与謝野祥子にぴったりで、この作品でもお似合いの二人でした。
原作を読んでいるから、世之介の卒業後のことは当然知っているんですが、あらためて、世之介ってどんな役目を負って、生まれてきたんだろうか、考えさせられなが観ました。
世之介と出会った人々の現在の様子。彼らの人生に世之介はどのような影響を与えたのだろうか。
そして僕自身の大学時代のことをいろいろ思い出しましたよ。


「俺が死んだらああやって皆泣くのやろうか。俺のことを思い出してさ」


「世之介のことを思い出して皆笑うんじゃなかとやろか」