ファインダーの中には何が見える

思いついたことをつらつらと書きます。

遠藤周作「海と毒薬」

今まで、なんとなく敬遠してきた。それはこのタイトルのためだと思う。「海と毒薬」。どうしようもなく重い。実際、読了した今でも、何が毒薬で何が海なのか分からないし、それでいて、この小説にふさわしいタイトルは「海と毒薬」しかないような気もする。


米軍捕虜の生体解剖というショッキングな題材を淡々と描写している。登場人物、それぞれの視点で語るという手法。これが、何の効果もないような気がする。というか、読者が登場人物に感情移入できにくくなっている。そのあたりが、感じるところがなかった理由なのかなと分析したりする。

海と毒薬 (新潮文庫)

海と毒薬 (新潮文庫)