オリガト・プラスティコ『しとやかな獣』〜紀伊国屋ホール〜
作 新藤兼人 演出 新藤兼人
キャスト
浅野和之、緒川たまき、広岡由里子、近藤公園、すほうれいこ、
佐藤誓、大河内浩、玉置孝匡、山本剛史、吉添文子
昭和30年代の団地風のセット。当時としてはモダンな応接セット。その応接間を舞台にさまざまな来客と家族のドタバタが繰り広げられる。
とにかく登場人物すべてが欲深く、あきれてしまう。昭和という時代のためなんだろうか、どん底から這い上がろうとする欲望が底知れない。この芝居を観ると、同年代を描いた「三丁目の夕日」がいかにも偽善的で嘘くさく感じてしまう。っていうか、『しとやかな獣』の方が人間らしい。それと緒川たまき演じる三谷幸枝。なんともたくましい。男が勝てる訳はないと思うほんと『しとやか獣』だ。
とてもおもしろい作品だったけれども、たまきんぐの出演が少しだけだったのが残念。
あと、ロビーで、どこかで見かけたことがあるおっさん。よく見たら、岩松了さんだった。