ファインダーの中には何が見える

思いついたことをつらつらと書きます。

「メゾン・ド・ヒミコ」

ジョゼと虎と魚たち」で、人の気持ちの機微を描くことができる監督だと思った犬童一心。この「メゾン・ド・ヒミコ」でも僕の期待に応えてくれた。


母と自分を捨てた父親。その父親卑弥呼田中泯)はゲイだった。すでに病床に臥せっている父親が経営するゲイのための老人ホーム。それが「メゾン・ド・ヒミコ」。


ヒミコの娘沙織役を柴咲コウ卑弥呼の恋人春彦役をオダギリジョー。春彦は死を待つだけの恋人卑弥呼のために沙織をこの老人ホームでバイトをさせようと持ちかける。はじめ、ゲイへの嫌悪感を露骨に示す沙織。


よくあるドラマのように沙織は次第にゲイたちと打ち解け、彼らを理解していくようになるのだけれど、この作品はその過程に性急さがないし、押し付けがましさもなくて、ごく自然に観ている僕の気持ちの中に入ってくる感覚があってよかった。だから、当然あるべき、ラストシーンで、僕の涙はとまらくなってしまった。。