ファインダーの中には何が見える

思いついたことをつらつらと書きます。

TULLY'S COFFEEで思い出すこともあるのだ

東京モノレールに乗って、流通センターで降りると、TRCセンタービル1階にTULLY'S COFFEEがある。とても寒いのでとにかく中に入って、品種を確かめず「本日のコーヒー」を注文すると午前中の空いた店内の端の席に座る。


TULLY'S COFFEEといえば道玄坂にある店をよく利用していた。ベタにもハチ公銅像前で待ち合わせをしたKちゃんとその店に入って、今日はこれからどの映画を観ようかと話をするのがとても楽しかった。映画は、中国とか東南アジアの作品になるのが常だった。そういえば、Kちゃんに勧められて「青いパパイヤの香り」のヴィデオを借りて観たこともあった。


その日、Kちゃんは具合が悪いらしくてTULLY'S COFFEEに入っても水しか飲まなかった。辛そうな表情をしているKちゃんを見て、僕は電話で彼女を誘ったことに少しだけ罪悪感を持ちそうになった。すると、Kちゃんはそんな僕の気持ちを見透かしたように、「今日は朝から熱っぽかったけど、君に会いたかったから無理して渋谷までやってきたんだよ」とやさしい笑顔で言った。


僕らは店を出ると、どちらからともなく手をつないで渋谷駅に向かった。


そんなことを思い出しているTRCセンタービル1階のTULLY'S COFFEEにいるのは、僕のほかに書類に目を通しているサラリーマンがひとりで、いっぽう、僕が考えていることは、
Kちゃんは田舎に帰って、今頃はよいお嫁さんになっているのだろうな、っていうことだったんだ。