「マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男」 マイケル・ルイス
あまりのおもしろさに一晩で読了。
アメリカメジャーの貧乏球団アスレチックス。この球団は金はないのに毎年、それなりの成績を残している。その訳は他の球団とはまったく異なった視点からチーム作りを行っているからだ。
- 高校生ルーキーよりも大学生ルーキーに投資する。
選手の「将来性」には期待しない
- 高打率の選手よりも、長打力がある選手よりも、出塁率が高い選手
初球から振っていく積極的な打者は、どれだけ打っても評価しない
- 打点にはまったく意味がない
「チャンスに強い」などというふれこみは、いっさい信用しない
- 被安打は投手の責任ではない
だそうだ。つまり、この考え方に基づいて選手補強していくということ。
そして、選手補強(強化)はあくまで投資であって、よい結果が出る確率の高い方に投資するのはごく当然のことであるということだ。
最初の項目の「高校生ルーキーよりも大学生ルーキーに投資する。」は、バファローズの現状を考えると、ある意味正解!なのかなと思う。ウチ(バファローズ)で高卒選手で育った者なんて皆無に等しい。ってことは、スカウトの見る目が無かったのか、あるいは、育成能力(環境)がなかったのかいずれかだろうから、それだったら、ある程度、完成していて実力を見極めやすい「大学生」ばかりを獲得するのは理にかなっている気もする。
ふたつ目の項目「高打率の選手よりも、長打力がある選手よりも、出塁率が高い選手」を獲得する。
これも今のウチにとって、ある意味正解!だろう。今年のバファローズはラロッカ、ローズとすばらしい長打力を持つ打者に恵まれていて、チームの本塁打数もリーグNo.1だ。それなのに、最下位。その理由はいろいろあるとは思うけど、一番打者を固定できなかったこともその要因として、大きいのではないだろうか。コリンズはなぜか平野の一番起用に固執し続けているけど、彼は出塁率が恐ろしく低い(3割を切っている)。まだ体調が万全ではないにしても、出塁しそうな雰囲気がまったくない。初球からバットを振り、内野フライ。この打者が先頭だと相手投手はかなりラクなのではないか。ここに出塁率が高い俊足打者が入れば、今以上にラロッカ、ローズの長打率も生きると思う。
この本を読んで気になってきたこと。
それは、コリンズ監督が古いタイプのメジャーの監督だったということ。
アスレチックスのチーム強化方針は、従来からあるメジャー流を真っ向から否定して、結果を残してきている考え方だから。どう考えても、コリンズは「従来のメジャー流」の監督だろう。
- 作者: マイケル・ルイス,中山宥
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2006/03/02
- メディア: 文庫
- 購入: 26人 クリック: 216回
- この商品を含むブログ (165件) を見る