ファインダーの中には何が見える

思いついたことをつらつらと書きます。

山崎ナオコーラ「人のセックスを笑うな」

いまごろ読んだ。読み始めていつのまにか夢中になって40分くらいで読み終わった。すごくテンポの良い文章でするするイメージが頭の中に入ってくる。


登場人物は少なくて、主人公の美術専門学校の生徒19歳のオレと女性講師39歳のユリを含めて、5、6人。オレの1人称で誠実に純粋に物語が展開していく。女性である著者が描く主人公のオレにいつのまにか感情移入してしまう。実際の僕であったなら好きにならないだろう年上の女性講師を主人公のオレと同じように好きになってしまった。オレと同じように彼女を守ってあげたいと思った。


人のセックスを笑うな」…この狙い過ぎとも思えるとタイトルのせいで今まで読むことを敬遠してきたけど、意外や意外、実は純文学の王道をいく作品だった。

人のセックスを笑うな (河出文庫)

人のセックスを笑うな (河出文庫)